公詢社ブログ 葬儀屋のつぶやき

2018年06月

2018.06.30

最後の朝

 

朝一番 故人が好きだったコーヒーをお供えしようと

式場に入ると、柩に寄り添う息子さんの姿を目にしました。

恐らく昨夜からずっと側にいたのでしょう。

いったん下がりコーヒーをもう一杯入れて

息子さんのもとへお持ちしました。

「良かったらお母様と一緒に飲まれませんか?」

息子さんは立ち上がり、

「おかん、コーヒーやで!おかんの好きなコーヒーや!

 一緒に飲もな」と柩の上にお供えされました。

母と子、2人で過ごす最後の朝。

コーヒーを飲みながらどんな話をしたのでしょうか。

しばらく2人きりでひと時の時間を過ごされました

2018.06.29

いい言葉

 

ある喪家様を訪問した時のお話

仕事に遊びに家族に一生懸命のご主人。

奥様とご主人との想い出話の中で、

一番気を引いたのが、旦那さんの信条である

「どんなに悪い人でも1つは必ずいいところがある

 悪い所ではなく、いい所を見て人と付き合ってきた」

という言葉。

ご主人は、亡くなるまでその言葉通り生きてこられました。

奥さん曰く、「勿論、それで騙されたりしたことも何度もあった」と。

それでも、「人間が好きや」

とその生き方を貫かれてきました。

最後まで人を信じぬく事、自分の信念を貫き通す事、

なかなか出来ることではありません。

ご主人に対して、尊敬の念を抱くとともに、

このお話をして下さった奥様にも感謝です。

2018.06.19

 

縁(えん)

【意味】

1.仏語 結果を生じる直接的な原因に対して、間接的な原因。

    原因を助成して結果を生じさせる条件や事情。

2.そのようになるめぐりあわせ。

3.関係を作るきっかけ。

4.血縁的・家族的なつながり。

5.人と人とのかかわりあい。

先日、お客様を訪問した時に、「縁」についてお話して下さいましたので

ご紹介致します。

そのお客様は、常日頃より「縁」というものを凄く大事にされており、

たとえ少しのかかわりであろうと丁寧な応対を心掛けておられるそうです。

それは、今はほんの少しのかかわりでも将来それがきっかけで

深い付き合いになるかもしれないからです。

例えば、電車で席を譲った方や役所や銀行等の待合せ室で

たまたま隣合せになった方がその時はその瞬間でのかかわりだけでしか

ないかもしれませんが、この後深い付き合いになったり、身内になるかもしれない。

そう思って今までの人生を送られて来られました。

「目に見えない糸」で繋がっている、そう表現されてました。

もう一つ教えて頂いたのが、

「袖振り合うも他生(多生)の縁」という言葉。

意味は、袖が触れ合うようなちょっとした出会いも、

前世からの因縁によって起きるという意。

私も知っていましたが、勉強足らずで情けないことに

「袖触れ合うも多少の縁」だと思ってました。

今日からは間違えることなく使っていきます。

お客様との会話は本当に勉強になります。

このようなお話をして頂くことに感謝です。

このお話を聞けたことも「縁」ですね。

2018.06.15

柩にメッセージ

 柩の中で眠るお母様のそばから離れない子供

葬儀がはじまる前 私は子供に声をおかけしました

「お母さんへの想いを柩に書いてみては?」と

その言葉にうなずき すぐに行動に移した

それを見た親族が続いて柩にメッセージをつづった

全員が書き終えた柩には もう隙間もないくらい

ぎっしりと『想い』が埋め尽くされていました

「神戸のお葬式ではこんなことをするのですか?」

ご親族の方が尋ねてこられた

私はただ「家族の想いを故人に届けたかっただけです」

と答えました

そのメッセージと共に儀式は粛々と執り行われました

きっと皆様の想いは故人に届いていると 私は信じています

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