公詢社ブログ 葬儀屋のつぶやき
2018.11.19
祭壇
人の死。これは避けて通ることの出来ない事柄であり、
その御霊を見送りのが人々の務めです。
その一つの方法として祭壇が自然に生まれてきました。
古き時代よりどのような形にせよ、葬儀のための飾り壇らしきものは
あったと思われます。
現在の形に至るまでかなり様変わりしていますが、その飾り役の主役は
今日に至るまで、位牌・灯り・盛物の三役であることは紛れもありません。
この内、位牌は中心的なものであり、材質もおもに白木材で作られています。
位牌の『位』は、敬意を表す言葉であり、『牌』というのは、木札ということです。
灯りの原点は、死者の枕元に置く行燈が最初に使われた通称『枕あんどん』と言います。
これは、死者が浄土に旅立つ為の灯りという意味を持っています。
その他、雪洞(ぼんぼり)・灯篭(とうろう)・六灯(ろくとう)などの形が作られ、
灯りをつけて飾られました。
六灯は仏教の六道輪廻(ろくどうりんね:六道の間を生まれ変わり、死に変わりして
迷いの生を続けること)の教えが表されています。
六道とは、衆生が善悪の習わしによって、おもむき住む6つの迷界です。
【地獄(じごく)】
現世に悪行をなした者が、その報いとして死後に苦果を受ける所。
【餓鬼(がき)】
三悪道・六道・十界の一つ。
ここに住む者は内障・外障によって飲食することが出来ず、常に飢餓に苦しむ。
【畜生(ちくしょう)】
生前に悪行をなした者がおもむく世界。
地獄より上だが禽獣(きんじゅう:鳥や獣)の姿に生まれて苦しむ。
【修羅(しゅら)】
阿修羅の住む争いの絶えない世界。
【人間(にんげん)】
人間の住む世界。
【天(てん)】
人間世界より優れているが、いまだ輪廻を逃れられない。