公詢社ブログ 葬儀屋のつぶやき
2018.11.04
霊柩車のクラクションの意味?!
葬儀の出棺の際に、霊柩車がクラクションを鳴らすのはなぜ?と
一度は思われたことがあるのではないでしょうか?
会場に響き渡る「パァーッ」という警笛。
故人との今生の別れを告げる音のように感じますが、
このクラクションの音、どうして鳴らされるようになり、
またどんな意味があるのでしょう?
一般的には、火葬場まで一緒に行けない人に対するお別れの合図として鳴らされています。
その由来は、昔の葬列、いわゆる野辺送りにあると言われています。
野辺送りでは、霊が成仏して再びこの世に戻ってこないよう、故人が使っていた
茶碗を割る‘茶碗割り‘という風習がありました。
クラクションはその割る音の代わりとして鳴らされるようになったのではないかと
言われています。
野辺送りの由来説は、いずれも確証があるわけではないので、他の説もあります。
「葬列の先頭で、僧侶がお経をあげながら鳴らす鐘や太鼓の音の代わりではないか」説
「葬列で僧侶が持つ引磬(いんきん・握りが付いた小さな鐘)の音が転じたのではないか」説
といろいろと説はありますが、あのクラクションには長い歴史を持つ仏教の因習の
名残があるように思えてなりません。
昔の伝統、風習など理由がわからないものがありますが、そうしないといけないと
思い込み、やっているものも多いのではないでしょうか?
物事には、何事も意味がある。
今まで知らなかったことが分かれば、また違った景色に見えるのではないでしょうか。