公詢社ブログ 葬儀屋のつぶやき
2018.11.15
香典
今は『香典』が一般的ですが、元は『香奠』で『奠』には
『供える』という意味があります。
したがって、字義的には『香奠』は゛香を供える゛という意味であると
分かります。
由来は、『六種供養』からきており、仏を供養するには華・塗香・水・焼香・
飲食・燈明の六種を言います。一方。香典・香資とは゛香を買う代金゛として
差し出されるものを意味します。
従って、香奠と香典・香資とは意味が異なるが、現在では゛香を買う代金゛の意味で
用いられるようになっています。
しかし、香奠というからには、香を死者に捧げた段階があるはずなので、
『墓に香花、すなわち樒を立てたもの』であると言われています。
五来説によると、『香花を奠する』という言葉を二つに分けて
『香奠』と『香花』になりました。
また、仏教でいう『三具足』(燭台・香炉・花立)にも基本があります。
『香』は仏様の食べ物から転じて『食糧』となり、香奠は米麦・野菜・酒
などを供する意味になったと思われます。恐らく『食糧』だったものが、
金銭香奠に次第に移行していき、地方では戦前はまだ食糧香奠が見られ、
戦後になって金銭香奠に統一されました。