神道の基礎知識
神道は日本の民族宗教です、開祖や具体的な経典はありません。日本書紀や古事記に記された神話や神々、自然崇拝などによる多神教です。
神典には天照大神(アマテラスオオミカミ)や伊弉諾(イザナギ)伊弉冉(イザナミ)といった神様が登場します。
古代の日本人が信仰していた固有の文化が起源であり、日本人の心のともいえる先祖崇拝や自然崇拝の性格がみられます。
森羅万象や命はすべて神様によって創られ、すべてのものに神様が宿るとされています。そしてすべてのものはまた神様のもとへ還ると考えます。
そして神道では神様と人とを結ぶために様々な祭祀を行います。それらの祭祀を行う聖域が神社と言う場所です。身近なものでは初宮参りや七五三といった祭祀ではないでしょうか。
初宮参りは赤ちゃんが産まれて無事に1カ月目を迎えたことを産土神(その人の産まれた場所を守る神様)に報告する祭祀であり、七五三も同じく子供の成長の無事を感謝し神様に報告する祭祀です。
お葬式の場合もこれらの祭祀と同じように亡くなった事を神様に報告する為に祭祀を執り行いますが、神道では死は穢れという概念があり、神聖な神社の中での祭祀は行いません。葬儀会館や自宅でこれを執り行います。
神葬祭の流れ
神戸で行われている神葬祭の流れの一例です、地域や神職・斎主によって若干の違いがあります。
帰幽報告
ご逝去さらたら先ずはご自宅の神棚や祖霊舎に故人の死を報告し、
神棚から神饌物を下げ白い紙で封じます。
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枕直しの儀
ご遺体には白丁と言われる日本古来からの衣装を着せ、北枕に寝かせ直します。
正面に祭壇を設け、米、塩、水、酒などの神饌物を供えます。
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ご納棺の儀
ご遺体を棺に納める儀式です。
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遷霊通夜祭
還霊祭とは故人の御霊(みたま)を身体から霊璽(れいじ)、御霊代(みたましろ)といった依り代へ遷す儀式です。みたまうつしの儀とも言います。部屋を暗くし、神職によって警蹕(けいひつ)と呼ばれる掛け声とともに行われます。(警蹕というのは神職が発声する「おお」という声です、これから尊い方が通られるということを知らせ人々をいましめる意味があります)
遷霊通夜祭は以下のような流れで進められます。
①斎主入場 ②修祓 ③帰幽報告祭詞奏上 ④遷霊祭詞奏上 ⑤遷霊の儀(みたまうつし) ⑥斎主一拝 ⑦通夜祭詞奏上 ⑧斎主玉串 ⑨喪主以下玉串 ⑩斎主一拝 ⑪斎了 ⑫斎主退下
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葬場祭
仏教葬儀の葬儀式を神式では葬場祭といいます。葬場祭は以下のような流れで進められます。
①斎主入場 ②修祓 ③斎主一拝 ④饌を供す ⑤誄詞を奏す ⑥斎主玉串 ⑦喪主以下玉串 ⑧饌を徹す ⑨斎主一拝 ⑩斎了 ⑪斎主退下
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火葬
火葬場では斎主が祭詞を奏上します、参列者は玉串を奉り拝礼します。
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帰家祭
帰家祭は本来は自宅へ戻り、塩などで清め、葬儀と火葬が無事終わった旨をご霊前に奉告します。
神式では葬儀が終わってから十日毎に祭祀を執り行い五十日で忌明けとなります。
現在では十日祭を帰家祭と続けて行う事が慣例となっています。
神戸での神葬祭では火葬の待ち時間にこれを行い、その後は直会(なおらい)といって参列者の労をねぎらう為の食事などを行います。
直会の後に収骨をしご自宅へと帰ります。